築地日記 vol.8 『ベートーベン シンフォニーNo.9』|思い付きが書籍になるまでの義理と人情の物語
築地日記
ーあれよあれよと、思い付きが書籍になるまでの義理と人情の物語。
忘れぬうちにここに記すー
ここが、移転してしまうのか。
写真を撮り始めてからそんな噂がチラホラ聞こえ始めた。
あり得ない程の義理と人情に支えられているこの撮影。
背筋を伸ばして改めて気合を入れねばならぬ。
そう思い、朝5:00から食べる。
とにかく食べる。
うなぎにとんかつ。
だいたい美味いし、食べて仲良くなるのは取材の基本。(本当か?)
そんなある日、東京都の職員の方が市場の「秘境」を案内してくれた。
「しかし、何でまたこんなに早足なんだ?」
その歩くスピードに追いつけない。
「ん??」
動悸が変だ…。早足ではなく、自分が普通の速度についていけない。
「やばい」
そう思った時には倒れていた。
今まで病気ひとつしてこなったから油断していた。
人生初、倒れた。
その後、生死を彷徨う。
大音響で病床に鳴り響く第九。
つづく
最新話は著者Instagram(https://www.instagram.com/uniteddesign_diary/)にて先行公開中
アートディレクター
杉山圭
株式会社ユナイテッドデザイン 代表取締役
同社 文化人類デザイン研究室 室長
1967 年静岡県生まれ。インテリアデザイン会社、建築設計事務所を経て、1998 年に株式会社ユナイテッドデザイン設立、主に建築・地域・都市計画、環境計画におけるグランドデザイン、コンセプトの構築及びデザイン・基本設計、アートディレクション、デザインコンサルティング業務。様々なプロジェクトにおいて、文脈と類推(自然環境、風習、風俗、地理、歴史、現象、人物、生活、社会、テクノロジーの推移等からなる)をフィールドワークから考察してコンセプト立案及び横断的なデザイン制作。また、“文化人類学”を学問としてではなく“デザイン”として捉える新しいデザインカテゴリー『文化人類デザイン®︎』を提唱する。2016 年にユナイテッドデザイン内に研究室を置きアノニマスデザインの概念の再構築とその実現を目指し、ルポルタージュとアートの接点を模索し活動。