築地日記 vol.4 『コワモテの魚河岸のアニキたち』|思い付きが書籍になるまでの義理と人情の物語
築地日記
ーあれよあれよと、思い付きが書籍になるまでの義理と人情の物語。
忘れぬうちにここに記すー
市場に潜入するも、とてもではない、黙ってカメラを向けるなど不躾なことは出来ない。
で、コワモテの仲卸のアニキたちに恐る恐る声をかける。
アニキ「おじさん、何で写真撮るの?」
俺「え、だってここ、綺麗だから」
アニキ「ここが綺麗かぁ。撮っていいよ。でもいつか写真持ってきてよ」
後日、暗室で焼いた写真を持って行くとそれはそれは喜んでくれた。
俺「ん?四人だけど」
さっと後ろを向いて、何とその場でお礼にとカツオを捌いて持たせてくれるではないか!
これが、日本最大の魚河岸“築地市場”で受けた“義理人情”の洗礼である。
つづく
最新話は著者Instagram(https://www.instagram.com/uniteddesign_diary/)にて先行公開中
著者プロフィール
クリエイティブディレクター
アートディレクター
杉山圭
株式会社ユナイテッドデザイン 代表取締役
同社 文化人類デザイン研究室 室長
アートディレクター
杉山圭
株式会社ユナイテッドデザイン 代表取締役
同社 文化人類デザイン研究室 室長
1967 年静岡県生まれ。インテリアデザイン会社、建築設計事務所を経て、1998 年に株式会社ユナイテッドデザイン設立、主に建築・地域・都市計画、環境計画におけるグランドデザイン、コンセプトの構築及びデザイン・基本設計、アートディレクション、デザインコンサルティング業務。様々なプロジェクトにおいて、文脈と類推(自然環境、風習、風俗、地理、歴史、現象、人物、生活、社会、テクノロジーの推移等からなる)をフィールドワークから考察してコンセプト立案及び横断的なデザイン制作。また、“文化人類学”を学問としてではなく“デザイン”として捉える新しいデザインカテゴリー『文化人類デザイン®︎』を提唱する。2016 年にユナイテッドデザイン内に研究室を置きアノニマスデザインの概念の再構築とその実現を目指し、ルポルタージュとアートの接点を模索し活動。